『カードキャプターさくら』クリアカード編&新アニメプロジェクト始動!!

『なかよし60周年記念版』刊行開始アニメ再放送開始に続き、3回目の『カードキャプターさくら』関係の記事となります。いい加減お叱りを受けるかな……? とびくびくしつつも、勢いで書いてしまいました。

なかよし 2016年7月号 / 講談社
なかよし 2016年7月号 / 講談社

先の3日に発売された『なかよし 7月号』より、『カードキャプターさくら』「クリアカード編」の連載が開始、さらに新アニメプロジェクトの始動も告知されました!!

いきなり続編が載ることになるので、『カードキャプターさくら』を知らない子も多いであろう今の読者はポカンとしてしまわないかな? とすこし不安を感じていましたが、そこはさすがの配慮で、丸2ページが「クロウカード編(旧版コミック1~6巻)」「さくらカード編(旧版コミック7~12巻)」のあらすじ紹介に割かれていました。やはりそれだけでは拾いきれないエピソードもたくさんありますが、今ならちょうど(おそらく意図して合わせたのでしょうが)アニメの再放送もしていますし、せっかく子供時代にさくらちゃんに出会えたのだから、さくらちゃんワールドを目一杯楽しんでほしいですね。

ページ下のコメント投稿欄に、予告の絵がきれいでどきどきして待っていたという小学生から続編を楽しみにしていたという高校生まで、さまざまな年齢の子たちからのメッセージが届いていて、こみ上げてくるものがありました。今、わたしや友人がさくらちゃんと共に過ごした小学生時代は遠ざかり、いろいろなものが移り変わったこの時代になって、十何歳も年下の子達と、さくらちゃんのお話ができる。あと10年もすれば、20歳前後になったその子達と、〈幼い頃に出会った〉さくらちゃんについて語り合うこともできるでしょう。今までにこの作品がきっかけで仲良くなったお友だちや、これからさくらちゃんが巡りあわせてくれるかもしれない子たちに思いを馳せて、『カードキャプターさくら』に出会えた幸せをあらためて噛みしめています。大好きな作品に、共に喜び悲しみ笑った登場人物たちに、長い年月を経て「久しぶり」と微笑みかけられるのは、ほんとうに幸せなことですね……。

当店では、『カードキャプターさくら』の関連書籍・DVDの買い取り大歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください

『入江泰吉の心象風景 古色大和路』

入江泰吉さんの没後20年の企画で出版された写真集です。お寺、仏像、自然などとても美しい写真ばかりです。東大寺など歴史あるお寺の四季を捉えていて幻想的にも感じられ、夕焼けや雪景色や靄にかすんだ風景などずっと見ていられます。そして大仏や菩薩像などもたくさん掲載されていて堪能できます。

店員Sはお寺や神社に行くのは好きなのですが、奈良は行ったことがないのでこの写真集を見て行きたいという気持ちがかなり高まってしまいました。

古色大和路2

入江泰吉の心象風景 古色大和路 / 入江泰吉 / 光村推古書院 / 2012
入江泰吉の心象風景 古色大和路 / 入江泰吉 / 光村推古書院 / 2012

当店では、写真集やカメラに関する書籍なども取り扱っております。ぜひご来店くださいませ

王寺ミチル三部作―愛の国に生きた人間の一代記

最近読んだ小説の中でもっとも印象深かったのが、中山可穂の「王寺ミチル三部作」です。1993年に一作目『猫背の王子』、1995年に続編『天使の骨』が出版され、2016年1月の三作目『愛の国』の発表をもって完結を迎えています。

1年ほど前からタイトルに惹かれて(だって、〈猫背の王子〉に〈天使の骨〉ですよ!! )頭の中の「読みたい本リスト」に名を記してはいたのですが、その時点ではまだ完結していなかったので、もう桜庭一樹の『GOSICK』のときのような思い(出版社が変わった関係で、7巻が出るまでに数年かかり、途中からリアルタイムで追っていたわたしはたいへんな飢えを味あわされました)はごめんだ……!! と足踏みしていたところ、完結の報が舞い込み、喜び勇んで購入、3冊一気に読んでしまいました。

猫背の王子 / 中山可穂 / 集英社 / 2000 他2冊
猫背の王子 / 中山可穂 / 集英社 / 2000 他2冊

この三部作を通して、読者は「演劇の神に一生を捧げた」劇作家にして演出家、そして「永遠の少年」と評される役者、王寺ミチルの魂の遍歴を辿ってゆくことになります。一作目『猫背の王子』では、性愛観や人間関係といった王子ミチルを構成するものが「彼女のすべて」である演劇を軸として提示されてゆき、二作目『天使の骨』においては、前作のラストでおよそ持てるすべてを失ったミチルの自らを見つめなおす旅路が描かれ、その道中で彼女は「この人のために劇を書きたい」と唯一思える役者に巡り逢う。そして、三作目『愛の国』。同性愛が禁忌とされた世界で、真性のレズビアンにして、現実の理不尽への根っからの反骨精神をもつ天性の役者であるミチルの戦いが描かれます。

三作すべて、独立した作品としてもすばらしい完成度を誇ってはいますが(そもそもはじめは三部作にする予定はなかったようですし)、中でも最終巻となった『愛の国』のそれには凄まじいものがあります。『愛の国』後半でミチルは、同性愛者を迫害しカリスマ的な存在である彼女の排除を目論む「愛国党」から逃れるため、またとある愛の結末を見届けるためにスペインの聖地を巡礼するのですが、描きだされたその道程の美しいことといったらありません。過酷・残酷な現実のなかで、「舞台で魔法を使い過ぎた者は、現実の人生で復讐されるんだ」、「ねえミチルさん、あなたは愛の国に住んでいるの? 」というような台詞や、空中に吊るされて踊るタンゴ、背の傷跡に閉じ込められた愛する人の骨、巡礼のなか繰りかえし現れる幻影といったイメージが、散りばめられた宝石のように輝きを放つような、この小説そのものがミチルによる天上の芝居であるかのような作品なのです。

当店では、恋愛小説や文庫本の買い取り大歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください

セルジュ・マーシェニコフ―繊細な筆致、慈しみに満ちたまなざし

突然ですが、わたしは芸術作品に一目惚れをすることの多い人間です。とんでもなく好みな絵や写真をみつけてしまったが最後、画集や写真集を必死になって探しだし(作者が海外の方だと意外と大変なんですよね……)、お財布の危機もなんのその、一直線に向かうはレジ。今回紹介させていただくSergey Marshennikov(セルジュ・マーシェニコフ)についても、そのお決まりの流れを辿りました。

セルジュ・マーシェニコフは、ロシアのウファ出身の画家であり、1971年生まれで現在も精力的に活動なさっている方ですが、まるでルネサンス期のもののような品のある絵を描かれます。彼の作品のほとんどは(もしかするとすべてなのかもしれません)裸、あるいは薄布やゆったりとした衣服をまとった少女や若い女性を描いたもの。眠っている姿が描かれることも多く、慈しみが滲みでるような筆致や彼女たちの安らいだ寝顔は、以前リヒテンシュタイン展の記事で紹介させていただいた、フリードリヒ・フォン・アメリングの「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女2歳の肖像」をどことなく彷彿とさせます(一目惚れの連鎖……)。

Art Masters 97 Sergey Marshennikov / Dirk Stursberg / Createspace / 2014
Art Masters 97 Sergey Marshennikov / Dirk Stursberg / Createspace / 2014

彼の画はネット上で閲覧できるものも多くありますが(TumblrInstagram)、これはぜひとも紙媒体で手元に置いておきたい、と画集を探していてみつけたのが、写真の『Art Masters 97 Sergey Marshennikov』。どうやら1冊ごとに1人の画家の作品を特集していくシリーズであるらしく、解説や作者略歴などに割かれているページがほぼないため、見た目の薄さに反して内容にはかなりのボリュームがあります。お値段も控えめなので、わたしのような一目惚れ衝動に抗えないタイプにとってはとてもありがたい1冊。

ゆっくりページを捲りつつ、美しいものが手元にあると、それだけで幸福で満たされるなあ、としみじみ思う今日この頃です。

当店では、画集・写真集の買い取り大歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください

『1000ブリキのおもちゃコレクション』

ブリキおもちゃ博物館の館長や『開運! なんでも鑑定団』でも有名な北原照久さんのコレクションの本です。年代など最低限の説明だけで、ただひたすらに大量のブリキのおもちゃの写真が掲載されています。

リアルな飛行機や車があったり、作業をしている職人さんの人形などちょっと不思議な物まであって見ていて全然飽きません。ロボットも可愛いデザインの物が多いですね。ブリキのおもちゃは手に入れようとすると結構高かったりするので、この本で満喫したいと思います。

ブリキ2

ブリキ3

1000ブリキのおもちゃコレクション / 北原照久・清水行雄 / タッシェンジャパン / 2002
1000ブリキのおもちゃコレクション / 北原照久・清水行雄 / タッシェンジャパン / 2002

当店では、昭和や懐古趣味に関する書籍も取り扱っております。ぜひご来店くださいませ。