リヒテンシュタイン、という国をご存知でしょうか? 正式にはリヒテンシュタイン公国、スイスとオーストリアの間に位置する小さな国です。そのリヒテンシュタインの元首であるリヒテンシュタイン侯爵家の美術コレクションが、2012年から2013年にかけ、「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」と題して東京・高知・京都の3都市で公開されました。
絵画や彫刻、家具や陶器など、展示物の種類はじつに様々で、どの作品も繊細優雅。気になる作品の前で足を止めてじっくり眺め、また進んでゆくと、ミュージアムショップに着いた時にはなんと3時間が経過していて、ともに観に行った友人と顔を見合わせて笑ってしまいました。
いちばん気に入ったのは、フリードリヒ・フォン・アメリングの「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女2歳の肖像」。ほとんど赤ん坊といってもいい幼女が幸せそうに眠っている絵です。ふっくらとした頬が薔薇色に染まっているあたりだとか、わざとらしくなく微かにきゅっと上がった口角だとか、人形をぎゅっと握りしめている様子だとか、どこまでも心を捉えて離しません。幸いにもこの作品のグッズは豊富に揃っており、クリアファイルとポストカードとマウスパッドを購入、今に至るまでずっと使っています。携帯電話の待ち受け画面もこのポストカードを撮影したものなので、友人には「本当に好きだねえ」としばしば呆れられます……。
図録は定価でも(高校生にとっては)高かったので、当時は泣く泣く諦めたのですが、最近古本で発見して迷わず買ってしまいました。開催からしばらく経つ展覧会の図録なので、入手はすこし困難かもしれませんが、収録されているどの作品も本当に素敵でおすすめの一冊です。
当店では、美術展や各種展覧会の図録の買い取り大歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください。