人間と動物の境界線がぼやけていく。日高敏隆『ネコはどうしてわがままか』

『ネコはどうしてわがままか』(日高敏隆/新潮文庫/2008年)

物行動学者の日高先生の著作。
いままで数冊、日高先生の作品を読みましたが、ダントツで読みやすいです。
動物や虫の不思議な生態を、ひとつの生物につき3〜4ページほどの読みやすい文章でサクサク紹介する第一部と、
「すねる」「きどる」「待つ」など、人間にとってごくありふれた行動をキーワードに、人間以外の動物との差異や共通点を見出す第二部の二部構成です。
動物が人間に思えたり、逆に人間のことを動物のように感じたり、人間とそれ以外の生き物の境界線がぼやけるような感覚を味わえます。
動物行動学の入門書にピッタリです。

『ネコはどうしてわがままか』(日高敏隆/新潮文庫/2008年)

カエルはオスよりメスのほうが体が大きいことは珍しくないのですが、オーストラリアにいるカメガエルのメスは、繁殖期にきまって自分の体の70%の体重のオスを選ぶという。その理由がまた面白い。動物には動物の事情があるのだなあ。

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投稿者:

店員T

基本なんでも広く浅く。たまに楽器も触ります。