1990年代までが、サブカル雑誌の黄金時代であったのではないかなと思います。90年代後半からのインターネットの一般層への普及により、星と消えたサブカル雑誌たち(サブカル雑誌に限らず、出版界そのものがネットの隆盛の影響を受けたワケですが)、彼らが身を寄せ合いながら遠い宇宙に漂ううちにできたのが “消えたサブカル雑誌銀河” ……あの巨星は「STUDIO VOICE」だ、あれは「relax」かな、と想いを巡らせていると、目に留まった一つの雑誌(と書いて “ホシ” と読んでいただきたい)があった。1994年にミリオン出版より創刊され、ひときわバカネタやB級ニュースに特化することで独特の輝きを放った「GON!」(ゴン!)です。
内容としては “日本一まずいジュースを探せ!”、“65歳のスケボーじいさん”、“村人157人同じ顔!” などのB級ニュースや都市伝説もの、廃墟、ドラッグ関連、レトロ趣味、村崎百郎氏の悪趣味もの、エログロ、オカルトなどの有象無象が闇鍋的に掲載されていて、“下らないバカネタ” と “見てはいけない本” の匂いがプンプンしていました。ネット隆盛前夜だからこそ存在し得た雑誌だと思います。
「GON!」にはいくつか姉妹誌があり、その中でも1997年に創刊され、全5号で休刊と短命に終わった「COMIC GON!」(コミック・ゴン!)はその名の通り、過去の名作マンガの復活作品あり、漫画ネタやアニメ特集記事、またその周辺に特化した内容でした。