『暮しの手帖』に見るていねいな暮らし

現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」では、高畑充希さんら三姉妹が手がけることになる“女性のための実用雑誌”『暮しの手帖』(作中では『あなたの暮し』)が紆余曲折の末、いよいよ誕生しました。今作が始まる前に次回作が、書店員としては馴染み深い『暮しの手帖』の創刊にかかわるお話だと聞いたときから、いつ登場するのか楽しみに観ていたのですが、なかなかに待たされました!笑 真打登場によりこれまで以上に盛り上がるのは間違いなさそうです。

『暮しの手帖』は大橋鎭子花森安治のコンビで、戦後まもない物のない時代でもおしゃれに美しく暮らしたいと願う女性への服飾の提案雑誌『スタイルブック』からスタートし、昭和23年に健康をささえる「食」と家庭を守る「住」をとり入れて創刊され、以降平成の現在に至るまで愛されている超超ロングセラーの雑誌です。

暮しの手帖1

幕張店には古くて茶ばんだものから2000年以降に発行されたものまで店頭に並んでますが、昔のものと最近のものを見比べても、根底にある“日々の暮らしを丁寧に豊かで美しく”という提唱に少しもブレがないことに驚かされます。

暮らしの

広告を載せると、苦労してレイアウトを考えても広告がレイアウトを崩す、などの理由から広告を一切載せない、というこだわりもそのままです(←これ本当にすごいと思います……)。松浦弥太郎さんを編集長に迎えてから現代的なスタイルを取り入れはじめたとのことですが、見事に意志を継いでいるなあと感じます(2015年からは編集長に澤田康彦氏が就任)。

これからもライフスタイル誌のパイオニアとして、独自のスタイルを貫いて歩んでほしいものです。

幕張店では暮しの手帖のほか、天然生活、ku:nelなど女性のためのライフスタイル誌も各種取り揃えております。ぜひご来店くださいませ。

入荷情報:月刊誌『東京人』

月刊誌『東京人』を1990年代初頭から2015年まで、どーんとまとめて幕張店にて買い取らせていただきました! 2000年代の何年分か抜けてる部分もあるのですが、キチンと1年分揃って管理されていたのでかなりの量です。きっと持ち込むのは苦労されたことでしょう……、ありがたいことです。

『東京人』は毎月(ちょくちょく増刊号もあり)東京の歴史・文化・風俗・建築物・文学・風景などを特集している「東京が好きな全ての人におくる東京通の雑誌」というコンセプトの、長年愛されている「大人」のカルチャー誌です。東京に住んでなくともつい手に取りたくなるような特集が多いので、東京のお隣・千葉にお店を構える幕張店でもよく動いてくれます。

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東京人1
radikoやPodcastのおかげですっかりラジオ好きの店員Kが気になった一冊。めちゃ若い谷村新司さん(右上)とキンキン(右下)に釘付けです。

買い取った全てを店頭に並べたいところですがスペースの都合もあり、今回は2000年代を中心に陳列し、90年代のものはヤフオク!にて近々出品予定ですので気になる方は覗いてみてくださいませ。

当店では、さまざまなカルチャー誌の買取も行っております! どうぞお気軽にご相談、お問合せください!

『菜の花食堂のささやかな事件簿』でほっこりと

テレビドラマにもなった『書店ガール』の著者、碧野圭さんの最新作です。すっかり碧野さんにハマってしまったので待っていた1冊でした。

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菜の花食堂のささやかな事件簿 / 碧野圭 / だいわ文庫 / 2016

舞台は、昭和モダンな木造家屋を改装したレストラン『菜の花食堂』で月に2度開講されている料理教室。オーナーシェフの靖子さんは、普段はおっとりといつも柔らかな微笑みを絶やさない年配の女性ですが、料理教室に集まる生徒さんたちに起こる日常の小さな「事件」を、時に美味しい料理を通じつつ独特の鋭い観察眼で解決していきます。

物語の進行役はアシスタント兼生徒でもある派遣社員の20代女性。その彼女から見た靖子先生が何ともチャーミングで素敵なんです。何でも受け入れてくれるあたたかさと懐の広さがあって、まるで菩薩のようなひとです笑。物語の進行役の女性が抱えてた過去の傷が段々と明らかになっていくのですが、彼女に靖子先生と菜の花食堂との出逢いがあってよかったなあとフィクションとは分かっていても心から思わずにいられませんでした。そんな先生自身が抱えている事情も終盤に向けて判明していきます。靖子先生は1日にして成らず、です。

生徒さんそれぞれ抱えている問題が題名のような「ささやかな」とは言えないような人生を左右するような事情だったりもするので、ともすれば重くなりがちですが、全体に流れる空気は表紙カバーのイメージそのものにほっこりあたたかです。

店員Kは読んだ後しばらく立ち直れないようなずっしりくる重厚感のあるストーリーも好きなのですが、やはりほっとできるお話は個人的に絶対必要です。もしかしたら無意識にずっしり系と交互に読んでるかもしれません。ということはお次はずっしりか……笑。

入荷情報:からだ、健康、ダイエット!

健康やダイエットに関する本がまとめて入荷しました! 美呼吸、こんゃく体操、腸もみ!? などなど興味を惹かれるキーワードがずらり並んでいます。誰でもどこかひとつくらいは身体の不調を自覚しているもの。新刊書店にも負けない充実ぶりなので、気になる本が1冊でも見つかるのではないでしょうか?

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幕張店に入ってスグ、正面にどーんとあります。また、店内「HOW TO」コーナーにもございます。
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「病気は薬では治らない」なんてちょっと怖い題名のものもあります……。気になる〜。

まだまだ棚に出し切れていない分もあるので、おたのしみに。ぜひ幕張店にご来店くださいませ

『MEKURU』―みんなのキョンキョン 誰も知らない小泉今日子

少し前のことですが何気なく見たインターネットのニュースで、カルチャー誌『MEKURU』の小泉今日子特集号が売れに売れ、書店から在庫がなくなり販売元で嬉しい悲鳴を上げている、という記事が目に飛び込んできました。ここ数年では「あまちゃん」の春子さんのイメージが強いかと思いますが、昔から「キョンキョン」のことが気になる存在だった店員Kは慌てて増刷分を予約注文、しばらく待ったのち無事手に入れることができたのでした。

MEKURU 全体
MEKURU VOL.07 / ギャンビットパブリッシング / 2016.2.4

内容はというと自宅でのショットや本人のロングインタビュー、そしてキョンキョンとゆかりのある作家や俳優仲間・歴代ディレクターなど総勢27名からのコメントが寄せられてるのですが、どのひとからも彼女への信頼や愛情で溢れていて、小さい頃から勝手に感じていた、懐の大きさだったりいつも自然体で嘘がないという印象は間違ってなかったんだなということが改めて感じられ、ますます大好きに。

3冊
エッセイストとしても一流です。

ちなみにこの『MEKURU』というカルチャー誌は2013年に創刊したまだ新しい雑誌で、社員わずか5人という少数精鋭の出版事業部だそう。この出版不況といわれる時代にすごいぞ!と称賛を送りたい!ここ最近はあまり雑誌やムック本を買わなくなってきたのですが、この雑誌がこれからどんな特集を組んでいくのか気になる存在となりそうです。

草古堂では人気のタレントさんの特集雑誌なども多数取り扱っております。ぜひご来店下さいませ。