農学博士であり、害虫防除を研究する著者が書く、昆虫の生態についての生物学的エッセイ、、、かと思いきや、もすこし過激な内容でした。
もちろん昆虫の生態にも触れますが、タイトルで分かるように、昆虫と人間のかかわりを通して自然環境を都合よく変えてきた人間に対する批判が、著者のストレートな物言いで展開されます。
目次を見るだけでも興味が湧き、序盤は「昆虫にとって車とは何か?」「昆虫にとって船とは何か?」「昆虫にとってゴルフ場とは何か?」と内容がなんとなく分かりやすそうですが、後半は「昆虫にとって名前とは何か?」「昆虫にとって戦争とは何か?」「昆虫にとって生まれてきた目的とは何か?」「昆虫にとって人間の持つ価値観とは何か?」と禅問答めいた章タイトルが並び、読み進めるたびにワクワクします。
そして何より著者の物言いが個人的には面白く(それが受け付けない読者もいることでしょう)、オモロイおっちゃんやなあ、と親しみが湧きました。昆虫マニアへの同情と、昆虫採集禁止論者への隠す気のない憎悪、そして人間にとって都合のいい自己満足程度でしかない自然保護活動に対する冷ややかな目線。
エッセイ・読み物としてはこれくらい著者の考えが濃いめの味付けで編まれているほうが刺激的で、たまには面白いなと思います。
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