“自転車はブルースだ。底抜けに明るく目的地まで運んでくれるぜ”―忌野清志郎『サイクリング・ブルース』

「浅く広くでかまわない」「どんなことでも興味を持ったジャンルにはフットワーク軽く飛びつこう」をモットーに生きてます、店員Tです。

昨年秋から、クロスバイクを入手し新たにサイクリングが趣味に加わりました。そして今年の春にはロードバイクも購入してしまい、パーツもちょこちょこ買ってしまい懐に風が吹いています。もともとロック歌手・忌野清志郎が好きだったうえにサイクリング趣味を覚えたとなるとこの本に手を伸ばさないわけにはいきません(というか清志郎ファンなら読んでおけ)。今回は忌野清志郎著『サイクリング・ブルース』を紹介いたします。

『サイクリング・ブルース』(忌野清志郎著/小学館)

50代を転機に体力づくりのためにサイクリングを始め、東京〜鹿児島間を10日間走破、ライブやレコーディングにも自転車で向かうほどサイクリングにハマった忌野清志郎の自転車愛が収められた1冊です。上の画像にもありますように、自転車入門書というよりは自転車"愛"入門書ですね。カラーページと写真が多く、清志郎が愛車にまたがり風を切る姿がカッコよくて、清志郎ファンが楽しめるのはもちろん、彼が旅をした沖縄や四国、東北の自然や、キューバ、ハワイの町並みも楽しめます。清志郎が道中で感じたことを旅情たっぷりに記した短いエッセイもあります。サイクリングに必要な道具類等の実用的な情報はそこそこで、「自転車で旅に出るって、こんなに楽しそうなんだなあ」とワクワクする気持ちを興してくれることに特化した、まさに"自転車愛入門書"です。僕も今まで乗っていた、重い安物の自転車から初めて軽いクロスバイクに乗り換えた時の「あっ、すごい! 漕げば漕ぐほどスイスイ進む! 」「これさえあればガソリンなくても、どこへでも行けるじゃん!」(←過信)という気持ちがサイクリング趣味の第一歩でした。

ガッツリ読み込める旅行記でもなく、すでに世の中にたくさんある実用的入門書でもない、自転車旅写真集 + 忌野清志郎写真集 + ライトなエッセイ といった感じでとても読みやすく、すぐに読み終わります。普段読書されない方にもおすすめです。

最後にサイクリング趣味の方なら微笑んでうなずくであろう、本書内の清志郎の言葉を。

自転車で走っていると、風がまわっているのを感じる。道のうねりを感じる。長く走れば走るほど、自然に対する想いが深まって、もっと遠くに、どこまでも、どこまでも、旅がしてみたくなる。

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店員T

基本なんでも広く浅く。たまに楽器も触ります。