『寺山修司少女詩集』―幸福と悲しみと

寺山修司というと、多くの人は真っ先に演劇実験室「天井桟敷」など彼の演出家や劇作家としての一面を思い浮かべることと思います。彼がじつにさまざまな方面でその天才を発揮したのは周知の事実ですが、やはりアングラ演劇のイメージが強烈なのではないでしょうか。

しかし、私が寺山修司の名をはじめて知ったのは国語の授業で彼の『幸福論』を取り扱ったときで、はじめて読んだのも『幸福論』。次に読んだのが、今回ご紹介する『寺山修司少女詩集』。というわけで、私のなかで寺山はどちらかというと詩人としてのイメージが大きいのでした。

寺山修司少女詩集 / 寺山修司 / 角川書店 / 2005
寺山修司少女詩集 / 寺山修司 / 角川書店 / 2005

『寺山修司少女詩集』は、裏表紙の紹介文によると、寺山の数多い詩作のなかから「少女の心と瞳がとらえた愛のイメージ」をうたいあげた詩を集めたものです。

彼は、海をうたっては優しさと悲しみの気配を漂わせ、花をうたっては甘美と淫蕩とを感じさせ、愛をうたってはきらきらした喜びとそれが失われたときの絶望を、幸福をうたっては切なさを纏わせています。「あなたに」という詩に、「書物のなかに海がある 心はいつも航海をゆるされる」という一節がありますが、彼の詩集はまさに海のようです。多彩な表情を持ちあわせ、海に磯の匂いがあるように、どの詩にも特有の雰囲気がある。こんな詩を生み出すことのできた寺山は、彼自身がひとつの大きな海のような人だったのかもしれません。

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