酉の市

昨日は酉の市でした。毎年店舗や事務所の熊手を入れ替えるために中山法華経寺へいきます。ついつい仕事が忙しかったり忘れそうになったりで行きそびれそうになるのですがなんとか毎年欠かさず足を運んでおります。自分は神仏に対する礼儀作法などはほとんどわかりませんが何かの節目節目や近くに用事がある時などは神社やお寺(お墓)に行くようにしています。なにかこう日頃の報告や感謝、反省や豊富などをスッと言える場所ってとっても自分には必要なんですね。

さぁ!今日も仕事です!お客さんやスタッフのみんながいつまでも笑っていられますように!千客万来!商売繁盛!古書売買!がんばりましょうー!

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派手さはないけどなんとも厳かな気持ちにしてくれる中山の熊手

古本屋 草古堂では、伝統行事、祭り、神道、宗教書などの書籍の出張買取り大歓迎です。どうぞお気軽にご相談、お問合せくださいませ

映画『インフェルノ』

映画『インフェルノ』を観てきました。ラングドン教授シリーズとしては『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続いて3作目です。原作の小説は『インフェルノ』の前に『ロスト・シンボル』があるのですが、映画化が難航したみたいですね。こちらもいつか映画化がしたら嬉しいのですが。

『インフェルノ』の話は、前の2作が宗教がテーマになっていたのに対して人口爆発という現代の問題をテーマにしたサスペンスになっています。序盤のスピード感のある展開やフィレンツェの街などは良かったのですが、ちょっと前作には及ばなかったなと思いました。単独の映画としては面白いとは思うのですが、シリーズものは期待し過ぎちゃうので仕方がないのかな〜。

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ドストエフスキーと愛に生きる――翻訳と文学と人生と

わたしの友人に、翻訳された文章を読んでいるとどうしても「これは本来の文とは違うものなのだなぁ」と感じてしまうため、はじめから日本語で書かれた本しか読まないという人がいます。はじめてそれを聞いた時とても驚いたのですが、もしかすると、同じ理由で海外文学に苦手意識を抱いている方というのは意外と多いものなのでしょうか?

彼の意見も理解はできますが、翻訳、海外文学に浅からぬ縁のあるわたしとしては、べつの主張をしたくなります。すなわち、翻訳はけっして単なる置き換え作業ではなく、翻訳者の歩んできた人生やそれによって培われた価値観をそそぎ込む、ある種の崇高さすら感じさせる行為である、翻訳された本はひとつの芸術作品なのだ、と。

とはいえ一介の学生が訥々と意見を述べても説得力に欠けますので、そのことを言葉で語るよりも雄弁に伝えることのできる映画、ドストエフスキー5大長編(『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』『未成年』『白痴』)の新訳に生涯をかけて取り組んだ翻訳家・スヴェトラーナ・ガイヤーを追ったドキュメンタリー「ドストエフスキーと愛に生きる」をご紹介します。

 DVD「ドストエフスキーと愛に生きる」
DVD「ドストエフスキーと愛に生きる」

タイトルだけみると、ドストエフスキーの小説についての映画、という少々お固いイメージを抱いてしまわれることでしょう。しかし実際には、翻訳についての映画、ひとりの人間の数奇な人生を描き出した映画、という見方もできる作品で、ドストエフスキーそのものにはさほど興味がないという方にもおすすめできます。

スヴェトラーナの口調は穏やかでありつつ強い意志を感じさせ、そのために作品は終始静謐な空気感を漂わせます。背景にしても、監督に「古き良き時代のロシアの邸宅のよう」と評された彼女の家や古めかしい列車、雪に覆われたウクライナの道、ギリシア正教の教会など独特の雰囲気を纏った場所が多く、彼女の言葉とシンクロし、それにより一層の深みをもたせています。

「翻訳は、左から右への尺取り虫ではない」

「わかる? 全体を見なくてはならないの そして愛さなければ 一つ一つの彫像はみえてこない」

「人はなぜ翻訳をするのか? それは逃げ去ったものへの憧れかもしれません」

スターリンにより父が、ヒトラーによりユダヤ人の親友が、ふたりの独裁者によって周囲の人間が次々に殺されていった厳しい時代を、スヴェトラーナは外国語の知識によって生きのびました。(この映画のなかで彼女は戦争についても言及しており、「精神的な経験はいたわりを育む そうでなければ殺し合うことになる」というフレーズがとても印象的に残っています。)「言葉によって、救われた」と話す彼女は、言葉に感謝し、ひとかけらの妥協も許さない誠実さをもって翻訳に臨んでいます。だからこそ、上に挙げたような彼女の翻訳論は聴くものに深い感銘を与えるのです。

終盤で彼女の息子の死が語られ、スヴェトラーナは彼が柩に寝かされたときの様子を「それはまるで赤ん坊を揺り籠に横たえるよう」を述べているのですが、ごく個人的に、SoundHorizonのアルバム『Roman』が思い出され、こみ上げてくるものがありました。

翻訳という行為、翻訳された文章に苦手意識を抱いている方に、ぜひ一度ご鑑賞していただきたい作品です。

買取例:『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

現在ドラマが放送中の『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』シリーズの2巻目です。ドラマの方は終盤に入っていて盛り上がってきていますが、原作小説も6巻まで発売されていて人気です。小説とドラマではやはり違っていますが、どちらも面白いものはいいですね。

原作を先に知っていてその後に実写化されたものを観るとイメージが違うと思うことが多いですが、逆はあまり抵抗がない気がします。人気作が映像化する事がほとんどですし、読んだ人それぞれのイメージがあるので難しいと思いますが、実写化はファンが納得する作品をつくって欲しいです。

CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子/ 内藤了 / 角川文庫 / 2015
CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子/ 内藤了 / 角川文庫 / 2015

当店では、映像化する作品の小説や漫画の買取大歓迎です。どうぞお気軽にご相談、お問合せください!

羽海野チカの世界展

西武池袋本店の西武ギャラリーで行われている『羽海野チカの世界展』に行ってきました。カラーの原画や下書きなどが展示されていて、平日の夕方でしたがかなりのお客さんが入っていました。会場の最後にはグッズ売り場もあってポストカードやイラスト集などを買ってしまいました。

羽海野チカさんの作品は絵柄が淡く可愛らしいほのぼのとしていてギャグもあったり楽しいのですが、それだけでは無くてリアルな心理描写もあり衝撃を受けたりもします。連載中の『3月のライオン』はアニメ化と実写映画化もするみたいなのでこれからさらに盛り上がっていきそうです!

羽海野チカ

羽海野チカ2

幕張店では、羽海野チカさんの作品など少女漫画もいろいろ取り扱っております。ぜひご来店くださいませ。