古本屋さんの木箱

古本屋に行くと店内や店先で本が詰まった木箱に出会います。その木箱達は型や材質の違い、塗られた色や開いた穴などよって古本屋さんそれぞれの個性になっていきます。自分も店舗用や古本市用などにいろいろな木箱を作りましたが「これだ!」という木箱をまだ作れていません。たかが木箱ですがとてもとても奥が深いのです!

LPレコードと木箱
LPレコードと木箱

みなさんも古本屋に立ち寄ることがありましたら木箱を気にして見てみてください、個性があって楽しいですよ!

音楽と人生と娘たち

一年ほど前、池袋のジュンク堂書店。話題の本コーナーに平積みにされていた多くの本の中、一際わたしの目を引いたのが『ピエタ』の文庫本でした。世界史の資料集で初めて見てから惹かれ続けているミケランジェロ作の像と、タイトルが同じだったからでしょうか。「ピエタ」はイタリア語で「哀れみ・慈悲」を表します。

ピエタ / 大島真寿美 / ポプラ社 / 2014
ピエタ / 大島真寿美 / ポプラ社 / 2014

この小説は、作曲家ヴィヴァルディに師事し、音楽と共に育った孤児の娘を主人公として、その娘に関わるさまざまな人々の人生を優しく描き出しながら進みます。文体は透き通って美しく、大きな事件などが起こるわけでもないのに読者をすっと物語に引き込んでゆくようです。ひとつひとつの言葉が丁寧に選びぬかれていて、深い余韻の残る締めといい、とても大切にしたくなる作品でした。

当店では、小説や文庫本の買取りを承っております。出張買取も行っていますので、お気軽にお問い合わせください

児童文学作家 松谷みよ子さん

児童文学作家の松谷みよ子さんが亡くなられたというニュースを見ました。1960年代から『いないいないばあ』など今も人気があり定番として読まれている作品を描いた方です。

ニュースの中では『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズはそれまで児童文学ではタブーだった両親の離婚なども描いて発行部数620万部のロングセラーになった事、『私のアンネ=フランク』など過去の歴史に向き合った作品なども執筆された等々が解説されていました。本当にいろいろな作品を描かれた作家さんだったのですね。そして松谷さんが描かれた数多くの作品は亡くなられた後もずっと子供たちに読まれていくのだと思います。謹んでご冥福をお祈りいたします。

モモちゃんシリーズ他 / 松谷みよ子
モモちゃんシリーズ他 / 松谷みよ子

当店では、絵本、児童文学などの買取大歓迎ですのでどうぞお気軽にご相談、お問合せください!

図版に萌える

図版に萌えませんか? ワタシは萌えます。事典や技法書、そのほか専門書にはいろいろな図版が描かれており、ついついそのジャンルに興味がなくても仕事中に図版が現れると手が止まってしまいます。さまざまな設計図やバイクなどのパーツリストも萌え萌えですね! 描き方もフリーハンドのものからエッチングなどいろいろです。

図書館の製本 / 古野健雄 / 丸善 / 1957
図書館の製本 / 古野健雄 / 丸善 / 1957

当店では、図版が楽しい事典やパーツリストなどの出張買取大歓迎ですのでどうぞお気軽にご相談、お問合せください!

萩尾望都の『愛の宝石』

大学の友人に、中野ブロードウェイが某夢の国より好きだという女性がいます。彼女と共に私もしばしば中野へ赴くのですが、この間ブロードウェイ内にある古書店でぶらりと一昔前の少女漫画コーナーを見て回っていたところ、萩尾望都の短編集を見つけました。とても装丁の美しい本で、うっかり一目惚れ。手にとってまっすぐレジへ。やっぱり書店はお財布の敵ですね……。

萩尾望都—愛の宝石— / 萩尾望都 / 小学館 / 2012
萩尾望都—愛の宝石— / 萩尾望都 / 小学館 / 2012

私が萩尾望都を知ったのは、その中野ブロードウェイ好きの友人に「店員Nは絶対に好きだと思う」と『ポーの一族』を勧められたことがきっかけでした。『ポーの一族』を読んだ時点で萩尾望都のセリフ回しや登場人物、世界観の魅力にとり憑かれ、続いて貸してもらった『アメリカン・パイ』でとどめを刺され……。

その後狂ったように萩尾作品を読み漁り、一生の宝物となるようないくつもの作品たちと出会うことができましたが、中でも五本の指に入るくらい好きなのが『ゴールデン・ライラック』。私が一目惚れして買った『萩尾望都—愛の宝石—』には、この『ゴールデン・ライラック』の冒頭がカラーで掲載されていて、もう感激でした。

当店では、少女漫画などの買取りを承っております。出張買取も行っていますので、お気軽にお問い合わせください