200年後の火星でも

レイ・ブラッドベリの名は知っていても、作品を読んだことはない、という人は案外多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人だったのですが、これはいかんと思って高校3年生のとき受験勉強の合間に『10月はたそがれの国』を読んでみました。感想は、面白い、けどどうもピンと来ない、というもの。アメリカンジョークというか、あの独特の言い回しが少しとっつきにくかったのです……。それ以来、ブラッドベリからは遠ざかってしまっていました(今思うと、もったいないことをした……)。

時は移って大学1年生。萩尾望都の漫画を読みあさっていた私は、彼女がブラッドベリの大ファンであると知ります。そしてもう一度ブラッドベリを読んでみよう、という気になったところで、大学近くの書店に平積みされた本の帯が目に飛び込んできました。

「200年後の地球でも、きっと読まれる物語。」

バビロン行きの夜行列車 / レイ・ブラッドベリ / 角川春樹事務所 / 2014
バビロン行きの夜行列車 / レイ・ブラッドベリ / 角川春樹事務所 / 2014

その謳い文句のインパクト、そして表紙のデザインが気に入ったこともあって迷わず購入し、帰りの電車の中で一気読み。結果わかったことは、どうもブラッドベリの作品には自分の好みに合うものと合わないものが半々くらいであるらしいぞ、ということでした。

この『バビロン行きの夜行列車』でいうと、「分かれたる家」「目かくし運転」あたりはあまり好きになれなかったり面白さがいまいちわからなかったりしたのですが、「やあ、こんにちは、もういかないと」「窃盗犯」「夏の終わりに」「覚えてるかい? おれのこと」などはもう好みドンピシャを突いてきました。「夏の終わりに」なんかは脳内で萩尾望都の絵に変換して読むといい具合に余韻に浸ることができておすすめです。

ブラッドベリをまだ読んだことがない人にも、私のように別の作品を読んであまり気に入らなかったという人にも、もちろんブラッドベリファンにも、ぜひ読んでもらいたい一冊でした。

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半藤一利編『昭和史探索 一九二六‐四五』

『昭和史』や『ノモンハンの夏』などの著者の半藤一利が、昭和元年から太平洋戦争終戦までの史料を選び抜き、一年ごとに解説を書き下ろした本です。戦前、戦中の大きな流れをまとめた興味深い資料ですね。

この時代は学校で学んでも詳しくは知らない事ばかりなので、戦争があったということを忘れないためにもこのような本は読んでおくべきなのだと思います。

昭和史探索 一九二六‐四五 全6巻 / 半藤一利 / ちくま文庫 / 2006
昭和史探索 一九二六‐四五 全6巻 / 半藤一利 / ちくま文庫 / 2006

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古本屋さんの木箱

古本屋に行くと店内や店先で本が詰まった木箱に出会います。その木箱達は型や材質の違い、塗られた色や開いた穴などよって古本屋さんそれぞれの個性になっていきます。自分も店舗用や古本市用などにいろいろな木箱を作りましたが「これだ!」という木箱をまだ作れていません。たかが木箱ですがとてもとても奥が深いのです!

LPレコードと木箱
LPレコードと木箱

みなさんも古本屋に立ち寄ることがありましたら木箱を気にして見てみてください、個性があって楽しいですよ!

音楽と人生と娘たち

一年ほど前、池袋のジュンク堂書店。話題の本コーナーに平積みにされていた多くの本の中、一際わたしの目を引いたのが『ピエタ』の文庫本でした。世界史の資料集で初めて見てから惹かれ続けているミケランジェロ作の像と、タイトルが同じだったからでしょうか。「ピエタ」はイタリア語で「哀れみ・慈悲」を表します。

ピエタ / 大島真寿美 / ポプラ社 / 2014
ピエタ / 大島真寿美 / ポプラ社 / 2014

この小説は、作曲家ヴィヴァルディに師事し、音楽と共に育った孤児の娘を主人公として、その娘に関わるさまざまな人々の人生を優しく描き出しながら進みます。文体は透き通って美しく、大きな事件などが起こるわけでもないのに読者をすっと物語に引き込んでゆくようです。ひとつひとつの言葉が丁寧に選びぬかれていて、深い余韻の残る締めといい、とても大切にしたくなる作品でした。

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児童文学作家 松谷みよ子さん

児童文学作家の松谷みよ子さんが亡くなられたというニュースを見ました。1960年代から『いないいないばあ』など今も人気があり定番として読まれている作品を描いた方です。

ニュースの中では『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズはそれまで児童文学ではタブーだった両親の離婚なども描いて発行部数620万部のロングセラーになった事、『私のアンネ=フランク』など過去の歴史に向き合った作品なども執筆された等々が解説されていました。本当にいろいろな作品を描かれた作家さんだったのですね。そして松谷さんが描かれた数多くの作品は亡くなられた後もずっと子供たちに読まれていくのだと思います。謹んでご冥福をお祈りいたします。

モモちゃんシリーズ他 / 松谷みよ子
モモちゃんシリーズ他 / 松谷みよ子

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