ゆるく、やさしく、ユーモラスに。いとうせいこう、星野概念『ラブという薬』

いとうせいこうさんと精神科医・星野概念さんの対談です。肩の力が抜けていて、雑談に近い雰囲気でとても読みやすいです。お二人がバンド「□□□」(クチロロ)のメンバー同士ということも親しさの理由でしょう。

『ラブという薬』(いとうせいこう、星野概念/リトル・モア/2018年)

SNS社会が生んだ功罪の罪には、即時的で過激な反応が注目を浴びてしまい、インスタントに自己顕示欲が満たせてしまうことや、常に第三者の監視の目があることがあり、そのせいでなんだかこの世は息苦しいことになってしまっています。

ストレス過多なこの世の中で、精神的に疲れてしまったら、カジュアルに精神科や心療内科の門を叩くべきです。それこそ、「ちょっと話を聞いてほしい」というくらいカジュアルに。

対談中、二人のあいだにながれている穏やかな空気が読んで伝わってきます。精神科医の星野先生がカウンセリング、傾聴のプロであって、その土台にいとうさんの閃きやユーモアがなんとも自由にのっかって楽しそうです。読んでいるこちらの気持ちも緩められつつ、気づきを得ることができます。

ゆるくあること。優しくあること。ユーモラスであること。これらが今の社会を生き抜く上で大事だと改めて思えます。

相手の立場になってみること、エンパシー。これもまた加速していくであろう異文化交流において大事なスキルでしょう。とても難しいけど、まずは自分に優しくできないと、他人には優しくなれない。最初の一歩はまず自分を緩めることです。

声の大きい人も小さい人も、平等に意見が交換できる世の中でありますように。

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投稿者:

店員T

基本なんでも広く浅く。たまに楽器も触ります。