2004年に『シャーマンキング』が少年ジャンプより姿を消してからというもの、ラストシーンの蜜柑(未完、にかけた洒落)を目にしたときの悔しさを思いかえし、また、アニメが作品の本意に沿わないかたちでおわってしまったことを悲しんでは鬱々としていたわたしでしたが、そんな苦悩は幸いにも数年間で消えさりました。そう、2008年からの「完全版」刊行によって……!!
刊行の発表があった翌日、おなじくシャーマンキングファンであった友人と、学校の掃除の時間に割りあてられていた玄関ロビーで抱きあわんばかりに喜びあったことが、今なお思いだされます。
そしてまちにまった完全版は、武井先生ご本人が望まれていたかたちで補完されついに完結したストーリーに加え、何重にも工夫のこらされた豪華な装丁。こんなにも丁寧に製作していただけるのなら、まだまだ耐えしのんでもよかったかもしれない、とおもわせる程の出来でした。
この完全版のためにいくつもの描き下ろしがなされており、大々的に宣伝されているのは1.透明表紙 2.真 完結編 3.フルカラーキャラクター設定 4.背表紙連続画 5.裏表紙人魂アイコン 6.総扉ワールドツアーの6つです。そして、宣伝こそされていないもののファンの間では有名となっているのが、帯にある文句。それぞれの巻の表紙をかざる登場人物やその巻の内容をイメージしたとおもわれる一文が、帯に書かれています。
個人的に思い入れの強いエピソード〈恐山ル・ヴォワール〉が収録されている巻のものを引用すると、「千年余の夜行列車…終着へ発て。」(15巻)「千八十の夜行の列…執着を断て。」(16巻)。このふたつをみればわかるように、2文で一組になっており、韻が踏まれていたり単語をかけてあったりとほんとうに秀逸です。
この完全版刊行ののち、登場人物たちの過去をオムニバス形式で描く『シャーマンキング 0』の連載が開始。この予告として動画サイトにあげられた動画が一騒動ひきおこしましたが、もしかすると、あの一件でこの作品を知った、という方もいらっしゃるかもしれません。
そのさらにあと、主人公であった葉とその嫁アンナの息子〈花〉を主人公とする続編『シャーマンキング FLOWERS』の連載もはじまり、ファンにとっては至福のときが流れていた……のですが、『ジャンプ 改』が休刊の憂き目にあったことにより、現在FLOWERSの連載は中断されてしまっています。連載が再開されるにこしたことはありませんが、もしそれが叶わなかったしても、本作のように愛にあふれたかたちでの完結がなされることを願ってやみません。
当店では、『シャーマンキング 完全版』やその関連書籍の買い取り大歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください。