嵐が丘―E・ブロンテ魂の傑作

今まで読んだ本の中で、一番美しかったのは? と問われれば、私は鏡花の『春昼・春昼後刻』だと答えます。しかし、一番おもしろかったのは? あるいは、一番印象に残っているのは? と問われたのなら、その時は迷うことなく『嵐が丘』を挙げるでしょう。

荒々しく獰猛で身勝手、なりふりかまわずに愛に生きる登場人物たち、そして彼ら彼女らの紡ぎ上げる物語は、圧巻の一言です。中でもヒースクリフ、復讐劇の主役たる彼の野蛮な魅力は、『オペラ座の怪人』のファントムにも匹敵します。(ちなみに私は「恋をするならヒースクリフがいい」といって友人に引かれた経験があります……。)

『嵐が丘』の原書と翻訳本
『嵐が丘』の原書と翻訳本

作者エミリー・ブロンテは、結核を患うも医者を拒み続け、30歳の若さでこの世を去りました。彼女が『嵐が丘』を書き上げたのは1847年、死病にとりつかれる前なので、執筆中に自らの死を予感していたわけはありません。けれども、この作品を読むたびに、彼女は生きた証として『嵐が丘』の執筆に全身全霊を懸けていたのではないか、という気がしてしまいます。そうでなくて、あれほどの凄まじい作品が書けるものでしょうか。

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