【古本屋 妄想劇場 #01】カメラ墓場の長老、中判カメラ バケペンことPENTAX 67


断捨離ブームも、ブームを過ぎてむしろ「持たない暮らし」「ミニマリスト」として一般的なライフスタイルとなっている昨今ですが、弊社倉庫は相変わらずガラクタで溢れかえったまま、むしろ増殖している状況で、今もう圧倒的に人手が足りていません!ブログの出だしから愚痴っぽくなっちゃってすみません! でも人間らしさが感じられるブログになりませんかね?(笑) 人手が足りていたらブログも前回の記事から一ヶ月以上もあいたりしません!

そんな弊社倉庫の一角には、『カメラ墓場』があり、黒や銀のカメラがうず高く積まれたまま「俺たちをどうするんだ」とそのレンズを光らせています。「ごめん、人手が全然足りてなくて、時間がなくて…」「捨てるのか?」「いや捨てない、なんとか活用するから、ちょっと待って」「ふざけるな!いつもそうやって俺たちを放置しっぱなしじゃないか!」「い、いや本当なんだ!本当に人と時間が…」「おい、みんなやっちまおうぜー!!!!」と無数のカメラボディ、レンズ、ストロボ、フィルター、革ケース等カメラ用品が襲いかかろうというその時でした。

「やめんかっ!」

一喝が響き渡り、全員の動きがピタリと止まりました。声のした方を見ると、そこにはひときわ大きな黒いからだを鈍く光らせる一台のカメラが。

「バケペン長老!」

そう、彼は中判カメラ バケペンことASAHI PENTAX 67(6x7)。『化け物のようなペンタックス』の異名から、バケペンと呼ばれているのです。

ASAHI PENTAX 67、通称バケペン

中判カメラとは中判フィルムを使うカメラであり、バケペンに使用するフィルムは通常使われる35mmフィルムよりも大きいのです。フィルムが大きいということはその分、光や情報を多く取り込むことができ、表現豊かな写真が撮れる魅力があるのですが、大きなフィルムを普通のカメラ同様に横送りする機構であるためにボディがバカでかく、重く、持ち歩いてスナップを取るなんて気軽な使い方ができません。しかしその『凄み』(それを凄みと言えるのか)が持ち味として愛されています。

中判フィルム(ブローニーフィルム)

「みんな待ちなさい。この世には事情というものがあるのじゃ。桶屋が儲かったのは風が吹いたからじゃ。カメラ墓場が放置されているのは人手が足りないからじゃ。人手が足りないのは…まあ職場環境や待遇に問題があるのかの?まあわしの知ったことではない…とにかく万物はつながっているんじゃよ。『ばたふらい・えふぇくと』じゃ」

呆然としている私も含め、みんながバケペンの話を聞いています。

「わしたちカメラも同じこと。なにもなしにキレイな写真が撮れるわけじゃない。光がレンズを通り、フィルムに映る。そのフィルムを現像してはじめて写真ができあがるのじゃ。そして何より、わしたちカメラを持ち出して、被写体にレンズを向け、シャッターを押すのは、コヤツみたいな人間たちじゃ」

バケペンは私をじっと見据えました。私は声も出せません。

「人間、精進しなさい。人手が足りないのは事実じゃろう。しかし『時間がない』は口にしてはいかんぞ。ほんの少しでも時間は作れるんじゃからな。少しずつでかまわん、やれることはある。君は見たところ30代と見える。まだまだこれからじゃよ。頑張って仕事をこなし、慣れてきたところで新たなチャレンジをする。これを続けなさい。」

そう言うとバケペンは踵を返し、またカメラ墓場へと戻っていきました。ほかのカメラたちも無言でそれについていきました。

「ああ、言い忘れておった、人間。」

バケペンが振り返った。

「わしを売るときは高く売れよ」

そういってバケペンは微笑んだように見えました。


というわけで、私のバケペン妄想でした。いつ、いくらで売りに出そうかと思案していますが、もう少しだけ長老にはゆっくりしていただくことにしますかね…

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店員T

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基本なんでも広く浅く。たまに楽器も触ります。