「百年文庫」。全100巻からなるこのアンソロジーは、それぞれの巻がタイトルに漢字一文字を戴いており、『嘘』なら宮沢賢治「革トランク」ほか1篇・与謝野晶子「嘘」ほか1篇・エロシェンコ「ある孤独な魂」ほか3篇というように、3人の作家の、漢字の意味やイメージに合う短編がいくつか収録されています。
漢字一文字をタイトルに、という斬新で素敵な思いつきもさることながら、作家を3つの星に見立て、星座を構成させるという発想には、心の底から感服させられました。こんなアイデア、どこから湧いてくるのでしょう?
さらにこのシリーズ、複数冊集めて番号通りに並べると、背表紙のタイトルの下にあるマークと帯の色がとても美しいグラデーションを織り上げるのです。書店や図書館に全巻並べられている様はまさに壮観、つい全巻揃えたくなってしまいます。カバーを外しても、その下にはオリジナルの版画が……。ほんとうに隅から隅までこだわった装丁で、眺めているだけでも幸せな気持ちになれます。
100冊集めるのは、お財布的になかなか厳しいものがありますが、いつかは全巻揃えてみたいものです。
当店では、全集やアンソロジーの全巻セットの買い取り大歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください。