今回は、河出書房新社より出版されている「文藝別冊」シリーズについてお話したいと思います。
「文藝別冊」は、丸々1冊を使ってさまざまなジャンルで文化的な功績をのこしている人物の特集を組むシリーズ。宮沢賢治など文豪の特集ともなるとかなり学術的な色合いが濃く、どうしてもとっつきにくく感じてしまいますが、萩尾望都先生と三原順先生の号を読んだ限りでは、漫画家特集のほうはかなり読みやすく、どちらかというと最近の「ユリイカ」あたりに近い感触です。
読み切り漫画やカラーイラストはもちろん、好きな本・映画・音楽の紹介といったうれしい情報もたくさん詰め込まれていて、ファン垂涎です。
萩尾先生の映画紹介はばっちり挿絵付きですし、三原先生の愛読書紹介はどの本がどの作品のどのエピソードに影響を与えたのかまで研究されていて、かなり読み応えがあります。
小説家の方との対談や巻頭のロングインタビューが萩尾先生の方にしか掲載されていない代わりに、三原先生の特集では『はみだしっ子』や『ルーとソロモン』の付録一覧や文庫で読める作品のリストが載っていたりして、ボリュームに偏りがないのもありがたいところ。ファンが「ここは抑えておいてほしい!!」と思うところは、おそらく大体入っているのではないでしょうか。
(ちなみに、三原先生の方に載っているショートインタビューは1970年代~80年代の雑誌に掲載されたものなので、口調の表記の仕方あたりに当時の独特の雰囲気が漂っています。あれはあれでステキ。)
当店では、文藝別冊・ユリイカの買取歓迎です。出張買取も承りますので、お気軽にお問い合わせください。