昨日12/9の夜、『火垂るの墓』の作者として知られる作家の野坂昭如さんがお亡くなりになりました。2003年に脳梗塞で倒れられてから奥様に支えられての自宅介護が続き、右手が不自由ながら奥様による代筆で作品を発信し続けましたが、昨日自宅ベッドで意識がない状態であったのを発見され、その後病院で死亡が確認されました。85歳で旅立ってしまった。
八面六臂の大活躍で多作な野坂さんだったものですから、全ての作品に私は触れられていませんが、野坂さんの文体がとても好きでした。ワンセンテンスが長いけど、露天商の口上のような独特なリズムがあるので淀みを感じず、むしろ調子を取りながら文字を目で追うのが心地よく、それでいて内容も頭に不足なく入ってくるので、句点のあと次の長文を欲しがるように作品に没頭しました。 続きを読む 野坂昭如さん、ありがとうございました。