日本の美を体現「山口小夜子 未来を着る人」展

2007年に逝去してから8年……現在、東京都現代美術館で6月28日まで開催されている、「山口小夜子 未来を着る人」展を見てきました。

山口小夜子 未来を着る人1970年代にKENZOや山本寛斎のファッションショーで注目を集め、日本人として初めてパリコレなど海外のショーに出演した日本を代表するトップモデル。そして晩年では身体表現のパフォーマーでもあった山口小夜子の生前までの歩みと、宇川直宏山川冬樹等といった現在活躍中のアーティスト達との、時と魂を超えたコラボレーションが楽しめる展示会となっています。

スティーリー・ダンの名盤『彩 Aja』のジャケットに写る闇をまとった女性……もしくは資生堂の広告の中の、妖艶でありつつ凛としたモデル……または夜のヒットスタジオで、ジュリーと惚れ惚れするようなパフォーマンスを魅せた麗人……。そんなイメージでしか僕は彼女のことを知らなかったのですが、展示を見ていくうちに、山口小夜子の瞳に吸い込まれるように観賞に没頭していきました。

展示はまず山口小夜子が生前愛用していた遺品の数々から始まります。所有していた書籍や雑誌、人形やおもちゃ、メモ書き、スクラップブック、端切れやロックのレコードなどが飾られていて、なんというか今でいうサブカル少女だったんだなあと思うと、“神聖な存在であり、常人には手の届かない現人神” 的イメージだった彼女が少し親しみやすく感じられ、可愛く見えてきました(「可愛い」なんて言葉すら生意気なんじゃないかと思うくらい神聖なイメージだったんです 笑)。

その他初期のフォトセッションの写真や、モデルの枠を越えダンスや舞踏など身体表現そのものに挑むようになってからの舞台の映像などなど、多くの作品が展示されていましたが、僕が一番心奪われたのは、資生堂の広告ポスターやコマーシャルを展示していたセクションです。

資生堂のポスター。画像は物販で販売されていたポストカードですが。
資生堂のポスター。画像は物販で販売されていたポストカードですが。

資生堂の広告デザイン力と、山口小夜子の存在感・表現力が生み出したケミストリーですよ。広告を超えた “作品” のようです。美、そのものを広告化したような……ため息が出るほど魅了されます。

ドレス インスタレーション上の画像は山口小夜子がデザインした衣装が並ぶセクション(写真撮影可)。青い光の中で等間隔に並べられた数々のドレスと、“SAYOKOマネキン” たち。不安になるような、でも落ち着くような妖しい空間でした。

たっぷり時間をかけて観賞して、とても楽しい休日となりました。帰路、「来世女性として僕が生を受けることがあるなら、山口小夜子のようになりたい!」という無茶な願いを空に託したことも余談として追記しておきますね。

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店員T

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基本なんでも広く浅く。たまに楽器も触ります。