少女漫画を読みたい。胸焼けしそうに甘いやつではなく、おちゃめで、すこしだけ毒があって、なおかつ深い余韻を残す少女漫画が読みたい!! ……そう思ったとき、私は本棚から『売野機子作品集』をひっぱり出すことにしています。
とにもかくにも印象的なやりとりやモノローグが多い。この作品集は全3巻なのですが、写真の第1巻だけ見ても、ふふっと笑ってしまうような台詞や、心に沁みわたる言葉がたくさん詰まっています。
表題作「薔薇だって書けるよ」の冒頭では、ヒロインが大量のラブレターを持ってきた相手に〈あなたヤギ(を)口説きに来たの?〉と微笑み、「遠い日のBOY」では、〈誰でもよかったのね〉という言葉に〈誰でもよかったのに/誰でもよくなくなるのさ〉という返し。「晴田の犯行」の冒頭は、〈いつか、人生の本番が来ると信じていた〉という、つい共感してしまう独白。何度読み返してみても、「天才だ……」と唸らせられます。
まだあまり有名ではない作者ですが、初長編『MAMA』の連載も2周年を迎え、じわじわと人気がでてきているようです。本はたくさん売れてほしい、でも有名になってしまうのはどこか寂しい……。ファン心理はどうにも複雑で面倒ですね。
当店では、少女漫画や単行本などの買取りを承っております。出張買取も行っていますので、お気軽にお問い合わせください!!